熱海駅前仲見世通りの「丹那屋名産店」は、熱海から三島へ抜け日本の鉄道輸送に大変革をもたらした「丹那トンネル」の開通とともに、昭和９年（１９３４）に「丹那屋」の屋号で開業いたしました。
　当初より温泉まんじゅうをはじめ各種和菓子等を製造販売し、熱海に訪れる観光のお客様にも熱海土産として広くご利用いただきました。戦時中はお砂糖が手に入らなくなり、近隣地域からのわさび漬けやお干物等も扱わせていただいたご縁で今でも名産店として、観光のお客様をはじめ市民の皆様にも親しまれております。
　丹那屋の温泉まんじゅうは、餡を自社の大釜でじっくりと練り上げ、機械を使わずに手でこねたたねで職人が一つ一つ丁寧に成形し、蒸しあげた伝統の温泉まんじゅうです。親子３代に亘り受け継がれた配合で、独特の風味と昔ながらの味を伝承したものです。また、添加物等の使用を控えているためお日持ちは製造日共３日です。
　「丹那トンネル」坑口上には慰霊碑と丹那神社があります。　大正７年（１９１８）から１６年の工事期間と６７名の尊い犠牲者を悼み、毎年４月の第一日曜日には例大祭が執り行われおり、「丹那屋」の紅白まんじゅうをお供物として納めさせていただいております。先の将来も今と変わらず、お土産としての「丹那屋の温泉まんじゅう」をとおして、熱海の思い出の一つとなれるよう願っています。
丹那屋によりたいから熱海に下車するとのお客様の声を励みに、熱海駅前仲見世通りにて８０年。変わらぬ製法、変わらぬ味をご賞味ください。